ヤングビーナス秘話
噴気と青粘土がもたらす自然の結晶
別府はその地理的諸条件から、世界にも例がないほど多くの温泉がわきます。
しかも地熱活動が非常に活発なため、他の温泉地では少ない「噴気」がえられるのです。
さらに偉大な自然はこの地に「青粘土」という非常に特殊な土壌をもたらしたのでした。
青粘土は学名モンモリロナイトといい、地中のミネラルを多量に含んだ、ごく小さい粒子の粘土です。

この青粘土に高い温度の噴気が作用しますと、噴気中の硫化ガスが粘土中のミネラルを溶解すると同時に、下からの圧力のおかげで粘土上に絹糸状に結晶するもの。
これが別府温泉の“湯の花”です。
一般に湯の花(あるいは湯の華)と称されるものは、高圧高温の温泉水が地表に至るさい、一種過飽和の状態で沈でんしたものをさしています。
したがって、水に溶けない形として市販されていますが、別府温泉のそれは、こうしたものと根源的に異なるのです。
若々しいマグマの活動により発生する、いわば温泉のもととしてのガスの上に、さらに豊富なミネラルを含む青粘土を作用させ、その温度と圧力によって有効な成分を結晶させるという、きわめて合理的な手法により栽培されています。
しかも、温度を一定にさせるため、ワラのさしかけ小屋で管理するという独特の技術が考案され、受け継がれています。
この技術はこんにち、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
こうした栽培技術の歴史は古く、遠く江戸時代にまでさかのぼります。
古い記録から、寛文八年(1670年)より、この地で明礬の採集が始められたことがうかがえます。
やがて明治17年、湯の花の薬効が医学会の注目するところとなり、温泉の父といわれるベルツ博士も来別し、その効能を讃えました。
以後、京阪神を中心としてその名が高まったのでした。





















