ヤングビーナス秘話
天然の素材を生かし、自然の流れにさからわぬもの。
昭和25年といえば、終戦の混乱もようやく沈静化の兆しをみせていた頃、その一方で日本の保養地はいずこも戦いに疲れきった人々が、傷をいやすために集まってきました。
全国一の湧出量を誇る別府もご他聞にもれず、多くに人々が温泉を求めてやってきたのです。
訪れる人の病はさまざまでした。
傷を受けた人、当時蔓延していた疥癬(皮膚病の一種)に悩まされている人、栄養失調、結核・・・と、まるで巨大な野戦病院のさまであったと伝えられています。
この時代、温泉の効果は大変なものでした。
単に局所的な治療にとどまらず、からだの疲れをいやし、全体の調子を整える作用、つまり温泉本来の作用がいかんなく発揮されました。
端的に言えば、戦いに疲弊した人々に“生きる気力”をつちかってくれたともいえるでしょう。
こうした天然のめぐみに創始者佐分利清一は強い感銘を受けたといいます。
そして彼の胸に一つの計画が芽生えました。
それは、この温泉の恩恵を全国に広められないかということです。
今の時代こそこのような混乱期であるが、将来必ず真の意味でのすこやかさを希求する時がくる。
しかもそれは自然の流れにさからわないもの、天然の素材を生かしたものが求められるはずだ。
人間も大きな自然の一部であるならば、その法則にそぐわないものがどうして生命をもちえよう。
そもそも人間は本来備わった自己回復力があるはずだ。
その機能を高め、一切の副作用の心配のないもの---それこそが温泉ではないか。
地球のめぐみであるこの温泉をどこでも自由に得られたら…。
これこそが社会へ貢献できる道ではないか。
そんな折、先代の目に映ったのは、この地方特産の“天然湯の花”だったのです。





















